洛西高架下大学第8回実施レポート
「だれでもプレイヤーになれる、
そんな可能性であふれる場所トート阪急洛西口」
10月6日19時半から開催された、2020年度はじめての「洛西高架下大学(主催:トート阪急洛西口)」は、新たな取り組みとして初のオンライン開催により実施されました! 当日は、お堅い議論でもなく、カフェ気分の雑談でもなく、可能性を探る「ヨモヤマダイアログ(対話)」が実施され、洛西エリアに繋がりや関心のある人たちが集い、まちに賑わいをつくるためのアイデアを出し合う夜となりました!
当日のファシリテーター、まちとしごと総合研究所代表の東信史さんにレポートしていただきました。
洛西高架下大学とは
2019年2月より地域交流の促進を目的に、人が行き交う阪急洛西口駅の高架下をキャンパスに見立て、誰もが自由に参加できるセミナー&交流型イベントとして実施しています。多分野で地域に根付いた活動をしている方々を講師としてお呼びし、ノウハウを学べる講義や、参加者同士の交流がなされました。また、2020年6月からは、新たにスピンオフ企画として生まれた洛西高架下大学研究室コースが始まり、地域団体さんがマルシェやワークショップを実践した事例も生まれ始めています!
毎回1つのテーマについて、みんなで語り合うヨモヤマダイアログ
今年の洛西高架下大学では、トート阪急洛西口を運営する加藤さんを中心に、地域のNPOや金融機関、そしてまちづくり活動に取り組むゲストをお迎えし、1つのテーマについて語り合うダイアログ形式で開催しました。
今回のヨモヤマダイアログのメンバーのご紹介
- ●トート阪急洛西口 加藤さん(エキ・リテール・サービス阪急阪神)
- この講義の主催者でもあり、相談者。これまでトートを通してマルシェやイベント、洛西高架下大学などまち全体を盛りあげるための取組みを実施。「行きたい住みたいKTOYO洛西口」を目指して近隣住民が訪れたくなる場所にすべく、地域連携を深めてこれから共に活動していく仲間を見つけていきたいと考えています。
- ●神戸R不動産 小泉寛明さん
- 10年前に神戸に移住。神戸に移住者が増えてほしいという想いから行政と協力しつつ自分たちのやりたいことを形にしているエリアデベロッパー。活動の一つで神戸東遊園地に「EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET」という朝市を毎週開催、そこから派生して「FARMSTAND」というファームスマーケットのリアルショップを展開されています。その他にも、ものづくりの職人たちが集まる灘高架下のオープンフェスに関わるなど様々な事業を展開されています。
- ●らくさいライフスタイル
- 張本さん 京都洛西エリアで自分たちが楽しいと思えるライフスタイルを提案しているNPO法人。面白いと思うことを自分ごとで考え率先して活動イベントを行い、地域住民の反応が良ければ巻き込み型で活動を広げられています。トートでは、野菜の直売マルシェ「西山の恵み」や洛西高架下大学の研究室コース、交流促進まちづくりプラザの多目的室の運用などに携わっていただいています。
- ●京都信用金庫東桂支店 阪田さん、向段さん
- 金融機関の特徴と言われるカウンターをなくして誰でも立ち寄りやすいカフェのような空間になっているのが特徴の支店。地域に根差した金融機関なので、地域情報を共有できる人同士を繋げながらコミュニティをつくることをコンセプトに掲げています。子どもたちが遊べる場づくりや読み聞かせ、セミナーの実施等を行われています。
2021年に新たに「トートひろば」がオープン
第1期と第2期では食、暮らし、コミュニティに関わるテナントが高架下に出店するとともに、賑わいづくりの一環として『地元野菜のミニマルシェ』『一周年イベント』などを開催しました。拡散の場としては洛西高架下大学のような交流セミナーを実施し、すこしずつトートで活躍するプレイヤーが生まれています。そんななか、第3期のトートひろばが来年2021年2月オープン予定で、「日常的な賑わい創出」の場になることを目指しています。
まちの賑わいづくりには「毎週開催」が大切?
まず初めに、みなさんにお聞きしたことは「まちにとっての賑わいとは?」という問いでした。賑わいと一言で言っても、イメージするものは別々かもしれませんし、どんな状態が理想であるのかについて伺ってみたいと思いスタートし、その後のダイアログからは「定期開催」「媒介者」「ありのままで関わるまちづくり」という3つのキーワードが見えてきました。 「幅広い世代が交流できる場」というキーワードでは、ターゲットを絞るのではなく、子どもから高齢者まで近所の人がふらりと集まりたくなる場所がまちにとっての賑わいという声が多く挙がりました。またただ集うだけではなく「関係人口が大切」というキーワードからは、イベントの開催が話題に上がりましたが、小泉さんからは「毎週イベントをしたほうがいい」というアドバイスがありました。5年前に実験で始められた神戸のファーマーズマーケットでは、今でも毎週イベント実施を続けており、その次のステップとして農業スクール、農村民泊の施設など都会と農村をつなげる取組みに発展していっているそう。毎週イベントを開催する理由としては、部活動と同じ原理で毎週集まることによって仲間意識が生まれやすくなるから。無理せず続けやすい内容のものから始めて、集まることをやめないことが大切だと語ってくださいました。
「まちの裏情報」が行き来することはよいこと?
賑わいというのはハコではなく人が人を集めて生まれていくものなので、イベントを実施する媒介者が重要になってくるという話題があがりました。ユニークな視点としては、小泉さんから、まちの賑わいの鍵を握るのが「まちの裏情報が集まってくること」ではないかと話し始めました。そして、一番多く裏情報を持っているのは、商売をしている地元のお客さまと距離がちかい企業です。実際に、参加されている京都信用金庫では、お金に関することだけではなく、空き家情報やまちの新情報が集まるコミュニティになっているそうです。まちに根付いた働き方をしている企業こそ地域住民のリアルな声が集まるので、トートと連携することで地域住民が行きたい、関わりたいと思える場づくりを生みだしやすくなるのかもしれません。
無理なく、ありのままで関われるまちづくりを
イベント開催と言うと大層に聞こえるけれど、ちょっと人よりも得意と思っていることや好きなものを披露できる機会と考えると、まちの人たちが主体となって賑わいづくりを創出していけるかもしれないという話題があがりました。京都信用金庫では地域住民の高齢者に向けて「みんなの広場」というイベントを開催しており、得意なことを披露する場として大人気だそう。そしてつい最近、洛西高架下大学研究室コースでは「トートの文化祭」というイベントを開催し、参加団体の中には初めてイベントを開催する団体もありましたが、大成功された団体もあったそうです。イベント開催するまでの準備から場の提供までサポートできる体制があることで、これまで実践できなかった人たちが形にできる機会が生まれているように感じます。
この他にも、様々なキーワードが見つかった前半のダイアログ。後半は、参加者のみなさんも一緒になってブレイクアウトルーム(少人数の部屋)を用意し、4,5名のメンバーで感想を共有するとともに自分だったらどんなアイディアがあるのかについてダイアログを実施しました!
参加者からのヨモヤマダイアログでの声
作家、自治会役員、企業、主婦、地元住民、テナント出店関係者等、さまざまな形でまちに関わる方々が参加された今回。エリアも年齢層も実は様々でしたが、自分たちの住むまちへの想いが溢れ、様々な声が聞こえてきました!
- ・こんな熱い思いを持った人たちが洛西エリアにいることに感動した!
- ・ 洛西みたいに安心安全な歩道は貴重なので 子どもたちが自然と触れ合える体験場所があったらいいな!
- ・みんなで孫育てができるまちにしたい!
- ・地元企業としてまちづくりに関わっていくきっかけをつくりたい
- ・地域資源で溢れたエリアだからこそ、連携したイベントを実施したい
- ・地蔵盆のない自治体もあるので、何か一緒にできないか考えたい
などなど。他にも沢山のアイデアや感想が出てきました。そして、これが実現していくうえでは、あまりルールを決めすぎずやりたいという声を拾える、実現できる場、いわゆるコミュニティのプラットホームになることで日常的な賑わいが生まれていくのかもしれないなと感じました。
未完成な状態だからこそ、みんなでつくりあげていく
今のトート阪急洛西口は、完成に向かって走り出している途中。ただ見方を変えると、完成されたなかに身ひとつで飛び込むのは気が引けるけど、未完成な状態だからこそ誰でも参加しやすくプレイヤーとして挑戦しやすいかもしれません。そして正解がないからこそ、みんなで悩みながら、楽しみながら、仲間とともにまちに賑わいを生みだしていけるかもしれないと感じました。次回、さらに面白いヨモヤマダイアログになりそうで楽しみです!
【オンラインコミュニティのご案内】
- ・洛西エリアの活動で新たな仲間を見つけたい方
- ・洛西エリアの未来がよくなる新たなアクションをお考えの方
- ・異業種や他者とともに共通のビジョンを描いて社会や地域の課題解決に向け取り組みたい方
- ・コミュニティデザインや地域活性化に関心ある方
など、トート阪急洛西口で一緒に活躍するプレイヤー大募集です!!
事務局:有限責任事業組合まちとしごと総合研究所(担当:東)
TEL:075-257-7871 FAX:075-257-7846 MAIL:office@machigoto.net